テックエンジニアリング株式会社 様 の巻
今回は、POSシステムやネットワークシステムの開発/運用管理/設計などの総合的なシステムメンテナンス・サービスを、流通業を中心に全国で展開しているテックエンジニアリング様の「コール受付・進捗・保守管理システム」をご紹介します。従来からの24時間365日体制のシステムサポート・サービスを、さらに質の高いものにしてより早く確実にお客様をサポートするために、今回のシステムへ刷新しました。
データベースにはOracleを、それを支える基盤OSとしてMIRACLE LINUXを採用しています。また、データ転送においては「FastConnector」を採用し、顧客へのレスポンスを大幅に改善しました。開発元であるデジタルデザイン様にもご登場いただきます。(以下、社名敬称略)
 テックエンジニアリング株式会社
情報管理部
情報システム担当

主幹 大野 様
情報管理部
情報システム担当 

松井 様
情報管理部
特許管理担当部長
規制物審査室担当部長 

河合 様
システム導入の経緯
「お客様からの問い合わせに対して、24時間365日いつでも迅速に対応。」CS(Customer Satisfaction:顧客満足)を一歩進めた「CD(Customer Delight:顧客感動)」の実現を目指し、サービスレベルを日々向上させています。1991年以来、全国各地に技術センターを設置し、かつフィールドサポートのためのサービス・ステーションを120拠点に設置し、地域ごとのサポート体制を敷いています。今回、各地のお客様に対してさらに迅速で正確なサポートおよびサービスを提供するため、コール受付・保守進捗管理システムをより堅牢なシステムへ刷新することを考えました。
 
顧客満足度向上へ向けて
 既存システムは、本社の統轄データベースから全国15ヵ所の支社店データベースへ、各支社店に必要な各地域の顧客データを配備していました。その各支社店から、全国約120ヵ所のサービス・ステーションへ、地域の顧客データや障害受付データを送るしくみでした。このような分散統合システム化により、システムの堅牢性は非常に高かったのですが、大地震や水害などの何らかの理由で支社店のサーバーがダウンした場合、その支社店のお客様に対してシステムでの対応ができなくなるという問題がありました。
 
堅牢性と顧客へのレスポンス改善
 「いつでも何があっても24時間365日止めないサービスを実現する。」この条件を満たすため、本部にある全社の顧客データとまったく同じデータを全支社店でも保持することにしました。今回の導入におけるキーワードは、(1)Oracle8i (2)MIRACLE LINUX (3)クラスタ化 (4)共有ディスクアレイによるRAID (5)IPVPNによるマトリクス送信 (6)通信の二重化 (7)接続サーバーの切り替え (8)CTI※連動 などで、これにより多数の改善を目指しました。
 新システムでは、本部のデータベースで1分に1回のバッチ処理を実行し、15ヵ所の支社店データベースへ双方向で転送するというしくみにしました。これにより、ある支社店のデータベースがダウンしても、サービス・ステーション側で他支社店のサーバーへ接続し直すことにより他支社店で代行できるようになりました。そのため、24時間365日止めないサービスを実現できます。
※CTI:Computer Telephony Integration。
システム図
 
確かな信頼性とパフォーマンス
 迅速かつ確実にお客様をサポートする今回のシステムにおいて核となっているのは、顧客データやサポート履歴などを格納する本部データベースです。安全で確実な環境はもちろん、各部署の専用端末から社員全員が業務で使えるシステムにし、コストを極力抑えなければなりませんでした。そこで、データベースは確かな信頼性と高いパフォーマンスを評価してOracle8iを採用、OSにはMIRACLE LINUXを採用しました。また、サーバーをクラスタ構成にすることにより、可用性を高めています。今後のデータウェアハウスとWebでの活用のためにMIRACLE LINUX V2.1とOracle9iの評価を開始しており、順次Oracle9iへ移行する予定です。
 
安定性とコストパフォーマンス
 OracleのプラットフォームとしてLinuxを選定した大きな理由は、システムの安定性とライセンス費用です。Windowsはセキュリティパッチが多く、また月数回もリブートをしなければならなかったことが、Linuxへのリプレースのきっかけとなりました。とくに分散統合システムでは、複数のサーバーと非常に多くのクライアント・マシンを利用しますので、Windows系サーバーと比べてライセンス費用で大きな差がありました。また、試験導入をして同スペックのハードウェアで動作させた際の安定性や性能面でもLinuxが優れていることを確認したので、安心してLinuxの採用に踏み切ることができました。LinuxのなかでもMIRACLE LINUXを選定したのは、導入や運用面におけるサポート体制への安心感とOracleとの親和性というメリットが大きな理由です。
 
導入効果と今後の展開
 今回のシステムの導入で支社店に全社データが搭載され、今までは支社店単位でお客様対応していたのが、全国どこででも24時間365日対応できるようになりました。また、他の支社店のエリアに本社があるお客様への対応やサポートにおいても、大幅な時間短縮が実現しました。今後はさらに、客先対応中の担当者のパソコンからのワイヤレス接続でのリアルタイム・データベースアクセスや、位置情報を使ってお客様から最寄の技術者を本部で検索する仕組みを展開するなど、顧客対応の迅速化をより一層高め、顧客満足度の向上を図るためのシステムを展開する予定です。
 

 株式会社 デジタルデザイン
大幅なレスポンス改善
 新システムでは、サービスステーションの600台以上のクライアント・マシンからリアルタイムに支社店のデータベースを閲覧するしくみにおいて、通信速度が128KbpsのIPVPNを使用しています。ここで、弊社のデータベース・ミドルウェア「FastConnector R2.1J」を採用いただきました。レスポンス面で、前システムのローカル・マシンのデータベース・アクセスの応答時間が平均3秒程度だったので、このハードルをクリアするしくみが必要でした。情報システム担当の松井様によると、Fast Connectorの評価導入環境において「18秒かかっていた処理が、FastConnectorを使用すると1/5以下の2.8秒(実測値)」という結果が出ました。
「FastConnector」は、株式会社デジタルデザインが1996年から手がけてきたオリジナルなデータベース・ミドルウェアです。独自の圧縮転送技術を採用しており、ネットワークを流れるデータを動的に圧縮転送することにより、中低速回線環境下でも社内LANでの利用とほぼ同等なレスポンスを実現します。160社、1500サーバーライセンス、約2億円の出荷実績があります。2001年9月にはモバイルデバイス(WindowsCE3.0)に対応した「FastConnector Pocket」を出荷開始し、ワイヤレス環境下でのモバイル・ソリューションにも大きな力を発揮しております。
*国際特許出願中
 
ミラクル・リナックス(株)製品本部 マーケティング部 渡辺 雅子
 テックエンジニアリング様は、今回のシステム刷新の際、確実な安定性と低コストを真剣に考慮した結果、自ら「Oracle+Linux」の選択肢に辿り着いたことが印象的です。また、最新のOracleを常にサポートしているデジタルデザイン様の「FastConnector」のようなOracle対応のミドルウェアが「Oracle+Linux」に加わることで、より幅広いニーズに応えるソリューションを提供できます。今回はこの重要さを改めて認識させられます。
 
テックエンジニアリング株式会社 情報管理部 情報システム担当

03-5245-3955 http://www.teceng.co.jp/
03-5245-3497   webmaster@teceng.co.jp

株式会社デジタルデザイン ネットワークソリューショングループ

03-5835-0160 http://www.fastconnector.com/
03-5835-0166   sales@fastconnector.com

ミラクル・リナックス株式会社 製品本部 マーケティング部

03-5562-8300 http://www.miraclelinux.com/
03-5562-8306   info@miraclelinux.com

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